両手を使うことの大切さ

精神的にも、知的にも自立していない子どもは、片手で物を処理しようとします。

ズボンをはくにしても、食事をするにしても、何をするにしても、片手ではできません。

図形遊びの時に、片手で物を置こうとする子どもは、今まで片手の生活をしてきた子だと考えられます。

片手のみで物に触る子どもの、もう一方の手は、実際にはそうでなくても、心で、親の手や体や服を握っているのです。そして親につながることによって、肉体も精神も頭も親の一部となっているのです。物事は、両手でしなければ上手にできませんので親が片手を貸して、物事を処理してきたのでしょう。

つまり、肉体も精神も頭もまだ、自立していないのです。

自立する必要が無くて生きていけるのなら、絶対に自立しません。

必要があるからこそ能力が育成されるのですから。

両手を使った遊びをさせることが大切です。
目と手の協応させて能力を全開させ、物事を完成させるという経験が、関係の中で生きるという体験の基礎となるのです。