お子さまの幸せや成長を願う気持ちは、何よりも大切なものです。

その想いから、つい「教える」ことに力を入れてしまいがちですが、実は子どもにとって本当に大切なのは、大人に教えられることではなく、自ら「学ぶ」力を育んでいくことです。

「教える」という行為は、大人の理想や都合が中心になりやすく、子どもの個性や気持ちを置き去りにしてしまうことがあります。

ときには「あなたのため」と言いながら、叱ったり比べたりしてしまうこともありますが、それによって子どもは「愛されるには我慢が必要」「勝たないといけない」と思ってしまうかもしれません。けれども子どもは皆、それぞれ違った美しさを持つ花のような存在です。

桜とひまわりが違うように、どのお子さまにも唯一無二の魅力があり、他の誰かと比べる必要はありません。親として「こうなってほしい」と願うことがあっても、それは子どもの本当の幸せとは違う場合もあります。

子どもが自分で「やってみたい」「知りたい」と感じたときに芽生える意欲こそが、学びの本質であり、将来を切り拓く力となります。

私たち大人ができるのは、その学ぶ力が育つ環境を整え、花が咲くのを楽しみにしながら見守ることです。成長には一人ひとりのペースがあり、早い・遅いで優劣をつけるものではありません。焦らず、比べず、信じて待つ姿勢こそが、真の愛情につながるのではないでしょうか。

お子さまは、世界に一人しかいない大切な存在です。どの子にも、自分だけの花を咲かせる力があります。その日がいつ来るかは分かりませんが、「教える」よりも「学ぶ」を信じて、あたたかく寄り添ってまいりましょう。